何度も同じ事を指摘する - 教える側の気持ち
以前のレッスンで指摘されたことを、再度指摘されて落胆したことがおありかと思います。教える側としても同じ事を指摘するのは快いものではありませんが、「同じ事を言うこと」こそが教える側の技量でもあります。
お金を取って指導すると言うことは、技能を教わる側に確実に伝えないといけません。適当なことを言って、何となく雑談混じりに時間を過ごして、何となく進んで、という結果を伴わない指導は教えているフリをしているだけです※。レッスンの前より後の方が上達してはじめて指導した事になるのです。
レッスンの時にはできても、次回までに戻ってしまうことがあります。うまく弾けていなかった原因が根本的な部分での思いこみにあったりすると、その考えから脱却するのは難しいと言えます。教わる側が真面目に一生懸命練習しているのは分かっているのですが、思いこみはなかなか変わるものではありません。
ですが、教える側が「まあ、いいか」とあきらめては、教わる側の上達は止まってしまいます。同じ事を指摘するのは、はっきり言って、めんどくさいし、つまらないことです。教わる側も良い思いはしません。それでも、できるまで何度でも同じ事を言う必要があります。
できるまで、しつこく指摘すること。教えることを考えたり、先生の質を判断する参考にして頂ければ幸いです。
※悪い先生は「なんでこんなことができないの」という言葉に集約されます。教える側は自分では弾けて当たり前です。ですが、自分では当たり前のことを伝えるのが教える仕事です。部下に仕事をやらせるのと似ていると思いますが、ある意味これは自分で演奏するより難しいことです。
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