早い上達のために - 教える側の気持ち



レッスンは何のために受けるのでしょうか?当然、ヴァイオリンをうまく弾けるようになるために受けるものですが、上達までの期間を短縮するためでもあります。すなわち、時間をお金で買っている面があります。

一般的に商売は「末永くのご愛顧を」が理想ですが、教育に関してはそれは当てはまりません。早くスキルを伝え、早く自立できるようにすることが良心的な教育ビジネスです。

残念ながら、長期間生徒を自分の教室に縛り付けているような先生もいると聞きます。長期間定期的にレッスンを受けさせるのは指導者側の生活の安定につながるため、こういう先生も出てくるのでしょうが、これは詐欺行為そのものと思います。

ヴァイオリンは子供の時から10年は習わないと充分に弾けない、レイトスターターはうまく弾けるようにならない、などと言われますが、これは絶対に間違いです。10年かかることを5年でやるのが指導者の腕前ですし、それがレッスンの価値です※。大人の方なら「言葉」「社会常識」を持っているためより一層指導者の腕前で進度や理解度が変わります。

早く上達するためには、ある程度集中的にレッスンを受ける方がよいと思います。間が空くと、手戻りが発生してしまうため、6ヶ月で6回受けるよりは、3ヶ月で6回受ける方が効果的です。もちろん、レッスン料との兼ね合い、お仕事の都合なども出てくるため限度はありますが、短い期間で集中的に学ぶ方が上達も早く、結果的にレッスン料も節約できるはずです。

「ヴァイオリン演奏」を趣味にしても、「レッスンを受けること」を趣味にするべきではありません。できるだけ短期間にご利用頂き、できるだけ早く弾けるようになって頂きたい。「上達のスピード」を含めレッスンを生かす参考にして頂ければと思います。

※わたしは相当なハイペースでやりますし、音色に関してはすぐにでも良い音が出るようにできます。常に良い音色というのは他の技術との兼ね合いがあり時間を要します。が、音色はあくまでも弓の動かし方の物理的な加減で決まるため、単純なパターンならすぐにでも良い音にできます。ただ、その加減を覚えていられるかは、ご自身の練習次第ではあります。

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