持ち方・構え方3 - ヴァイオリンの技術を考える



ヴァイオリンを持つ方向も問題になります。「演奏者から見て左45度程度の角度で持つ」と言われることもありますが、単純に角度として考えるのは望ましいことでは無いと思います。

通常、ヴァイオリンの向きに弓を合わせると考えがちですが、反対に、弓の向きにヴァイオリンを合わせると無理が生じにくいようです。

弓の動かす方向には、演奏者が楽に弾くことのできる方向があります。例えば、腕が短い人は手をのばすことのできる長さに限度があります。腕の短い人にとっては、右手を身体の前の方に出して弾くより、やや横方向に弾く方が楽なはずです。

楽に弾ける弓の角度にヴァイオリンの向きをあわせます。腕の短い人にとっては、ヴァイオリンを横に持つのではなく、少し身体の前方に向けて持つようにすると、楽に弾けるようになるはずです※。小柄な方には、ヴィオラの持ち方を参考にすると、無理なく弾けるのではないかと思います。

ヴァイオリンの演奏技術は多くの場合、楽で少々物足りないところが良い音の出るポイントのようです。決して無理して弾く楽器ではありませんので、「楽」な「良い音の出る」角度を探してみてはいかがでしょうか。

※ 言うまでも無く、比較の問題で、20度30度といった大きな角度の問題ではありません。ヴァイオリンを身体の正面に向けるような角度で弾くのはやり過ぎです。このときには、身体がねじれてしまっているはずです。

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