ヴァイオリンの良し悪しが分かるようになるには、実物を見ることが一番です。ですが、銘器の場合、実物を見る機会はなかなかありません。そこで、ヴァイオリンの銘器の持つ雰囲気を感じていただければと思い、銘器の写真集をご紹介いたします。
専門的な図鑑の方が、書籍の信頼性が高いのですが、本の値段が数万円と高いのと洋書が大半のため、入手が難しいです。国内で入手が容易な書籍だけを紹介させて頂くことにします。
ヴァイオリンの銘器 渡辺 恭三 音楽之友社 |
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国内で出版されている写真集としては、もっともお勧めです。イタリアだけではなく、さまざまな国や年代のヴァイオリンが紹介されているのが特徴です。また、文章も、よくあるヴァイオリン本と異なり、常識的な視点から書かれています。
この本をじっくり眺めて、展示会に出かけると、楽器の良し悪しが見えてきますよ。
わたしの意見にすぎないのですが、この本の中では、
◆ガダニーニ(1750年)
◆グァルネリ(1737年)
◆カントゥーシャ(1969年)
◆ガン(1830年)
◆ストラディヴァリ(1713年)
◆ヴィヨーム(1850年頃)
◆ゴフリラー(1728年)
が特に良いヴァイオリンの風格を備えていると思いますが、いかがでしょうか?
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→ヴァイオリンの銘器 渡辺 恭三
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これがヴァイオリンの銘器だ!華麗なるイタリアン・オールド・ヴァイオリンの世界
佐藤輝彦 音楽之友社 |
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イタリアの銘器を扱った写真集です。この本のアマティとストラディヴァリだけでも見る価値があります。こんなにコンディションの良い楽器があるものですね。見られるのなら、ぜひ見て弾いてみたいです。
残念ながら、掲載されている写真の色合いに関しては、全体にオレンジがかって見えるのが難点です。実物は、もう少し違った色あいだと思います。
佐藤氏の発言は実際に名器を手にしたときの実感をかなりよく表現されていると思います。一方、奥田氏の文章は、「ヴァイオリン神話」から抜け出せてはいません。少し注意が必要です。
わたしの意見では、
◆アマティ(1683年)
◆ストラディヴァリ(1722年)
◆アンドレア・グァルネリ(1663年)
◆ガリアーノ(1750年頃)
◆ジュゼッペ・チェルーティ(1839年)
◆プレッセンダ(1843年)
◆ロッカ(1840年代)
◆アントニアッジ(?)
が特に良いヴァイオリンの風格を備えていると思います。いかがでしょうか?
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→これがヴァイオリンの銘器だ!佐藤輝彦
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