多くの人が認める「良い音」を知るには、高価なヴァイオリンを弾いてみることをお勧めする、と前回書きました。では、どこでそういうヴァイオリンを弾かせてもらえるのか?プロのヴァイオリニストでもない普通の人に、ストラディヴァリを弾かせてもらえるわけがない、と思われるかも知れません。
「名器を手に取る」でご紹介している展示会をお勧めします。何も特定の楽器店の肩を持つわけではありません。ヴァイオリンの質、量ともに出かける価値があり、かつ、大半のヴァイオリンが自由に試奏できる展示会のみを紹介しているためお勧めするのです※1※2。
もちろん楽器店としては売れることを期待してのイベントと思いますが、展示会では強く営業されることは多くありません。比較的気楽に自由に弾かせてもらえることが多いようです。自動車のショールームの方が強力な営業ですので、その点は安心して良いと思います。
ヴァイオリンは音を出してはじめて価値があるものです。弾きもしないで分かったようなことを言うのではなく、まず、展示会で弾かせてもらってはどうでしょう?買わなければ、無料で(弦くらいは買って帰った方が、良い関係を築けると思いますが)ストラドやデル・ジェスの音を知ることができる機会なのです。
※1 毎年秋に東京で開かれる「弦楽器フェア」は展示楽器の質が充分ではないし、まともに音が聞ける環境ではありませんので、お勧めはできません。中には良い楽器もあるので、行く価値はありますが。
※2 こういった楽器店について、他店が悪い評判を言っていたという話があるのは承知しています。残念ながら、弦楽器業界は他店の誹謗中傷が当たり前の世界で、それなりに根拠はあるのでしょうが、そういう話は聞き流しておくのが大人の態度でしょう。
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