ヴァイオリンの表板や裏板は、多くの場合、二枚の板をニカワで接着して作ります。ヴァイオリンの裏板の中央に入っている筋は接着面であることをご存じの方も多いかと思います。
しかし、長い間にはこの接着がゆるんでしまうこともあります。また、接着のゆるみ以外にも、板の割れを修理する際に接着だけでは強度的に充分ではない場合もあります。そういった場合、接着面の付近を木片で補強することがあります。
この木片を「パッチ」と呼んでいます。パソコンの「OSパッチ」や「パッチワーク」などと同じく、「つぎはぎ用の布編、板きれ、当て金」の意味になります。
通常、外部から見えるパッチは裏板のパッチだけです。写真が裏板に貼ってあるパッチです。
パッチは古い楽器によく見られますが、楽器によっては、製作時からパッチで補強されていることもあり、パッチがあるからと言って、楽器が古い→価値があるということにはなりません。逆に割れによる価値の低下はあるものの、パッチによる価値の低下はないようです。
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