ヴァイオリンといえば、イタリアのイメージがあります。名器にはイタリア製のものが多いし、現実的にもイタリア製のヴァイオリンは概して高額です。
古いイタリアの楽器に名器が多いためか、「イタリアのヴァイオリンはすべて優れている」という認識すらあるように思えます。
しかし、どんな分野でも同じですが、ヴァイオリンに関しても製作家の国籍や人種による優劣はありません。イタリア人だからといって良いヴァイオリンを製作できるとは限らないのです。
中国製だって優れたヴァイオリンもあるし、イタリア製だってつまらないヴァイオリンもあります。私見ですが、安価な価格帯では、中国製やチェコ製は概してコストパフォーマンスが高いと思います。
フランスワインの全てがうまいワインとは限らないのと同じです。南アフリカだって、チリワインだって、安くてうまいものはあります。
「イタリア製だから音がよい」といった「だから論」でヴァイオリンを選ぶと、あまり良くないものを高く買うことになりがちです。国籍やラベルなどにとらわれず、素直な気持ちで接して、自分の好みにあったヴァイオリンを探すと良いと思います。
←前の記事「演奏家に聞こえる、名器の音を聞こう」を読む
→次の記事「スクロールから製作家のセンスを知る」を読む
→ 一覧ページに戻る → トップページに戻る
|