よくある問題として手首の形があります。手首は基本的にはまっすぐが望ましく、手首が曲がった状態では正しい音程を押さえたりヴィブラートをかけたりすることが困難になりますし、音色も悪化します※。
手首の形は流派や先生の考え方によって様々で、どの方法が正しいというわけではありません。ですが、多くの名演奏家の映像を見ると手首はまっすぐがデフォルトになっていることが多いようです。
写真をご覧頂きたいと思います。1番目が望ましい状態(手首はほぼまっすぐで曲がっていません)。2番目は手首を突き出してしまっている状態(指を強く押さえすぎているとこのようになりがちです)。3番目は手首が内側に曲がってしまっている状態(「握る」という意識が強いとこのようになりがちです)
写真1 望ましい手首の形(ほぼまっすぐ)
写真2 手首を突き出してしまっている状態
写真3 手首が内側に折れてしまっている状態
特に手首を突き出してしまうケース(写真2)が多く、その原因はたいてい「弦をしっかり押さえなくては」と思いすぎている場合にあります。弦の押さえ加減は「しっかり押さえる」と考えるよりも「指板(しばん)に弦が付けば充分」と考えた方が望ましいと言えます。
「手首をまっすぐに」と考えると力が入るような感じがしますが、むしろ逆です。腕の筋肉の内側も外側も張っていない状態が一番ゆるんだ状態になります。腕をだらっと下げた状態ですと、必ず手首はまっすぐになるかと思います。
左手の手首の形は、「腕をだらっと下げた状態」で。音程が定まらない場合や、ヴィブラートがうまく動かない場合はまず手首の形に注目して練習してみてはいかがでしょうか?
※特に手首が突き出すような形で曲がっていると、ヴィブラートをかけることはほとんど不可能になります。できても「ちりめんヴィブラート」になってしまいます。また、強く押さえすぎると音が濁ります。
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