「力を抜く、ゆるめる」というのは、多くの本に書いてあることですが、ゆるめすぎてもいけないし、適切な力加減が難しいものです。
ヴァイオリニストのユーディ・メニューインは弓を持つ感触を「生まれたてのひなをそっと持ち上げるように」と言っています(※)。このメニューインの表現が一番、適切と思います。
ヒナを持ち上げるような感じで弓を持って、そのまま弦に当て、クロイツェルの2番を弾いてみてはどうでしょうか?頼りない?そう、頼りないくらいで丁度良いです。最初はまともな音が出ないように感じるかと思いますが、たいていの場合これで充分です。
ヴァイオリンを弾くのに力は必要ありません。最小限の力で演奏することを試してみると、ふと、美しい音が出るようになるはずです。
※イェフディ メニューイン(1987) ヴァイオリンを愛する友へ 音楽之友社
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