ヴァイオリンの掃除については、前回、前々回のお話以外に、f字孔の隙間をピンで掃除する話や楽器の内部をお米で掃除する話など、話題は尽きません。
ですが、そういったデリケートな話題はネットで話すべきことではないと思います。普通に触ることができない部分の掃除は、弦楽器専門店に任せた方がリスク、コスト両面で望ましいのではないでしょうか?※1
今回は、見落とされがちですが、ヴァイオリンにダメージを与え得るアクセサリの掃除についてお話しします。「ケースの掃除」です。
ヴァイオリンをきれいにしている人でも、ケースの中がホコリだらけということは少なくありません。また、ホコリだけでなく砂が入っていることもあります。室内に置いてあっても、風と一緒に砂が入ってしまうことがあるのです。その他、松脂の破片や髪の毛などもよく見かけます。
持ち運ぶときに、振動でヴァイオリンとケースがこすれ、楽器を傷めることになりますし、ホコリや砂をくっつけたまま、楽器を拭いたりしたら・・・。削っているのと同じです。
また、ケースの中に写真や、思い出の品が入っていることも見かけます。各々、考え方や趣味があるし、名演奏家の真似をしている方もいらっしゃるのは分かります。ですが、持ち運んでいる際に小物がケース内を転がり、楽器や弓を傷付けることがありますので、最小限にするのが望ましいと思います。
ケース内のホコリや砂は掃除機で吸い込めば良いです。あまり、強い力で吸い込むと内張の布が破れる場合もありますので、掃除機のパワー調節は弱めをお勧めします。また、ケースが湿度を含むことがありますので、時々、風通しの良いところで陰干しした方が良いでしょう※2。
ケースの掃除・管理と整理整頓は、あまり意識されないことと思います。ですが、ヴァイオリンの保護の面でも案外重要な面がありますので、意識的に掃除することをお勧めします。
※1 楽器店によっては作業の様子を見せてもらえますので、自分でなさりたい場合は、一度専門家の作業を見てからの方が良いと思います。
※2 この時はヴァイオリン、弓、松脂・肩当てなどのアクセサリは全て外した方が良いと思います。よけておいた先で事故に遭わないように注意してください。
←前の記事「ヴァイオリンの掃除2-ヴァイオリンの取説」を読む
→次の記事「暑いと溶ける-ヴァイオリンの取説」を読む
→ 一覧ページに戻る → トップページに戻る
|