「良いヴァイオリン」はF1のようなもの


「良い音」を「良いヴァイオリン」から知ることができたでしょうか?もし、名の通ったヴァイオリンなのに大したヴァイオリンと思わなかったということでしたら、楽器に問題があるのではなく、ほぼ間違いなく、その楽器を鳴らすことができていなかったと考えるべきです。

音に好みの差はあっても、良いヴァイオリンは最低限、びっくりするほど大きな音が出るし、特に低音が響き渡ります。しかし、本当の魅力は、4弦のバランスがどうの、低い音から高い音までバランスよく出る、反応が良いといった低次元の話ではありません。音に有無を言わせぬ魅力と音の力があり、その上、「次の音符を導いてくれる」「音を音楽にしてくれる」という感触があります。これなら数億円でも安いと思わせます。

ただ、「良いヴァイオリン」は車で言えばF1のようなもので、充分に性能を引き出すには、それなりに演奏の腕前を必要とします。音大出だからというような腕前ではありません。「良いヴァイオリン」を鳴らすための腕前と、「良いヴァイオリン」からの反応を感じ取る感受性です。

どうやって試奏するかは、別のコーナーに書いていますが、極力ヴァイオリンを邪魔しないように弾くのがポイントになります。店員さんに聞いたら、弾き方を教えてもらえるかも知れません。

F1のような良いヴァイオリンの能力の一端でも知ることができたら、その印象をよく覚えておいたらいかがでしょうか?それが、楽器選びのベースラインになるはずです。
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