重音(和音):具体的な弾き方


重音(和音)は高度な技術のように思われがちですが、かなり最初に習得しなければならない技術です。重音が弾けなければ、調弦(チューニング)ができるようにすらなりませんし、比較的簡単な曲でも重音は頻繁に出てきます。

重音を弾くキーポイントは次の通りです。

【キーポイント1:圧力】
2本いっぺんに弾くのだから弓の圧力は2倍と言われることもありますが、間違いです。むしろ重音(2重音)だったら1/2、3重音だったら1/3の気持ちで弾いた方がうまく弾けます。弦を押しつぶすように弾くのではなく、弦を2本(あるいは3本)を弓で触っておいて、表面をさらっと撫でるようなイメージです。

【キーポイント2:弓を動かす方向】
重音、3重音になると、弓を下の方に動かしがちになりますが、角度だけを合わせて真横に(イメージ的にはむしろ持ち上げ気味)の方がうまく弾けます。3重音、4重音でも弓を押しつけるよりも、弓を離す勢いで弾くようにするときれいな和音になります。「グギャー」という演奏はノイズで、和音ではありません。

【キーポイント3:重音の音程】
音程は左手の押さえる位置だけでなく弓の圧力でも変化します。強い圧力で弾くほど音程は合わなくなります。重音の音程が合わないときは、弦に加える圧力をまずゆるめてみて下さい。

重音を弾くヒントになれば幸いです。

←Back Next→
ヴァイオリン演奏のヒント
トップ

(C)Caprice