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スクロールというのは、ヴァイオリンの頭部の渦巻きのことです。渦巻きは製作家の個性が現れやすい部分です。形が大きかったり、小さかったり、巻きが多かったり、少なめだったり。

写真を見てみてください。右の写真は柔らかい感じ、左の写真は硬い感じがあります。このように、スクロールは製作者によって癖が出やすく、この違いで製作者を特定できたり、流派が分かったりするのです。ヴァイオリンの指紋のようなものでしょうか。

「スクロールは製作精度が大切だ」といった言われ方をしますが、精度といった工業製品のような言い方はちょっと違うかなと思います。単に、「彫刻技術が上手か下手か」、と、「センスがあるかないか」ではないでしょうか？スクロールのような単純な形を美しく彫刻するには製作家の腕前と美意識が必要で、それが音にも影響するのだと思います。

スクロールの形だけでヴァイオリンの善し悪しを判別することはできませんが、スクロールを眺めて、弾いてをしてみると、製作家のセンスと、音の関係が何となくわかってきます。ぜひ、たくさんの楽器や楽器の写真を見比べてみてください。

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