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名器を見る:コムーネ宮とストラディヴァリ博物館 - イタリア・クレモナに行ってみた

10月3日にクレモナ市庁舎(コムーネ宮)のヴァイオリン展示室に、10月4日にストラディヴァリ博物館に行きました。


 

コムーネ宮:クレモナ市庁舎のヴァイオリン

クレモナには「クレモネーゼ」という名の付いた非常に有名なストラディヴァリがあります。また、それ以外にも多くの名器を見ることができます(手に取ったり弾くことはできません。ガラス越しです)。

市庁舎(コムーネ宮と呼ばれます)の展示室は、入場券を近くの本屋みたいなところで買うことになります(これがわからなかった。クレモナではあまり英語は通じない様子)。ストラディヴァリ博物館と市庁舎のヴァイオリン展示室両方の共通券(10ユーロ)を買って入る。

展示品は下記の通り(コムーネ宮は写真撮影禁止のため写真はありません)。

ヴァイオリン
アンドレア・アマティ(Andrea Amati 1566)
ニコラ・アマティ(Nicolo Amati 1658)
アントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari 1699)
アントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari 1715)
アントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari 1727)
フランチェスコ・ルジェリ(Francesco Ruggeri 1675)
ジュゼッペ・グァルネリ(通称フィリウス・アンドレア Giuseppe Guarneri 1689)
ジュゼッペ・グァルネリ(通称デル・ジェス Giuseppe Guarneri 1734)
エンリコ・チェルーティ(Enrico Ceruti 1868)
シモーネ・フェルナンド・サッコーニ(Simone Fernando Sacconi 1941)

ヴィオラ
アントニオ&ジロラモ・アマティ(Antonio e Gerolamo Amati 1615)ヴィオラ

チェロ
アントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari 1700):これは当日なかった。

予想より多くの楽器がありました(^^)。

この中で最も収穫だったのはアンドレア・アマティ。1500年代の楽器がこれだけ良い状態で残っていること。また、この楽器の資料を持っていて、どこをどのように修復されているかを知っていたので、それを確認できたこと。

何より、ヴァイオリンの最初期の楽器が非常に美しいアーチをしていて、最初から完成されていたことが分かったこと。ヴァイオリンは生まれた当初から既に相当高いレベルにあって、ストラディヴァリ・グァルネリを頂点に以降は退化しているように思えてしまった。

1715年のストラディヴァリは有名な「クレモネーゼ」。良い楽器なんだけれども、板厚が厚い印象でふーんという感じ(良い楽器なんだろうけれども)。むしろ1699年のストラディヴァリの方が良い楽器に思えてしまいました・・・。

ルジェリも良い楽器、また、デル・ジェスもさすがでしたが、わたしにはアンドレア・アマティと1699年のストラドが強い印象でした。

 


 

コムーネ宮は各部屋が公開されていたので、部屋の響きを確かめながら歩いてみた。どの部屋もそれほど響かない。石造りの建物で天井も相当に高いのに響かないのは非常に意外でした。壁が布張りになっていたり、床が木製になっていたり様々でしたが、どの部屋もそれほどライブではなく、響きがコントロールされているように感じました(昔からこうだったかは不明です)。

響きがコントロールされているからこそ、ストラドのような空間全部を響かせる楽器が生まれたのだろうかと思いつつ。響くだけのところでは、ストラドのような音の大きい楽器はワンワン鳴ってしまうのではないか。そこを体感できたのは大収穫でした。

 

ストラディヴァリ博物館

ストラディヴァリ博物館は市立博物館の一角にあります。イメージ的には、日本の「町の博物館(土器や石斧が並べられているような)」みたいな感じで、入り口にヴァイオリンの展示、その後絵画などの間を抜けながら、ストラディヴァリの使った道具などのコーナーに向かう。

入り口の展示室(名器・名弓がたくさん)

入り口には、名器・名弓がずらり。

ニコラ・アマティ(Nicolo Amati 1669)
ジュゼッペ・グァルネリ(通称フィリウス・アンドレア Giuseppe Guarneri 1699)
アントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari 1720)
アントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari 1734)
J.B.グァダニーニ(J.B.Gudagnini 1757)

この中では1669年のアマティが良い楽器だったし、フィリウス・アンドレア・グァルネリも素敵。1720年のストラドも良い楽器だったし、1734年はオモボノ・ストラディヴァリっぽい感じが興味深かった。

弓は次の通り。トルテやペカットではなく通好みの作者なのが好感。非常に美しい木材の弓でした。ただ、なぜフランスの弓がここにあるのかは不明。

シモン(Pierre Simon)
パジョー(Etienne Pajeot)
メイアー(Nicolas Maire)
アダム(Jean Dominique Adam)
アンリ(Joseph Henry)

パジョー(上から2本目)の貝細工のフロッグ、メイアー(3本目)の彫刻入りフロッグ

絵画は興味深い絵がいくつもあった。音楽関連のものも少なくなく、じっくり見られれば良かったとは思う。けれども、急ぎのスケジュールなので少しだけ見てパス。

音楽関連、また、ヴァニタス画もいくつかありました。

薄暗い階段を抜けて中の方に入ると、「ヴァイオリンの作り方」みたいなコーナーがあり、製作途中の楽器を触ることができる。ネック材の重さなども分かって、わたしには興味深い展示。

薄暗い階段。公民館の裏口みたい。

「ヴァイオリン体験コーナー」みたいな感じ

更に中に入ると、G.B.チェルーティのヴァイオリンやニコラ・ベルゴンツィのベース、フィオリーニやガエタノ・ガッダなど見る人が見れば興味深い楽器が数多く展示されていた。モダンイタリーが多く展示されていたのは意外。

これは変形楽器(製作者は記録を忘れたので不明)

更に更に行くと、ストラディヴァリの使っていた道具のコーナー。多くの道具が展示されていたが、興味深かったのは分数楽器の型。当然と言えば当然のことだけれども、分数楽器もきちんと型を作ってから、製作していたのだと。

真ん中が分数用の型。有名なP・Gの型などもありました。

展示方法はこんな感じ。公民館の土器の展示みたい。

楽器自体に興味のある方にはコムーネ宮・ストラディヴァリ博物館ともに非常にお勧めできます。ここだけでストラディヴァリを5本見られるし、アマティも複数見られる。ヴァイオリンをたくさん見たーい、名器を見たーいという向きには非常にお勧め。

オフィシャルサイト。

http://www.musei.comune.cremona.it/

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