ヴァイオリン教室「ヴァイオリンがわかる!」

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意味あるレッスンにするために - 教える側として守っていること 1/5

教え方も目的によって変えるべきです。自分が教わった教え方や、自分に教えやすい教え方を押し付けないように気にかけています※1。

わたしは現在では大人の方だけに教えていますが、これは大人と子供ではレッスンの目的や方向性が異なると思うためです。

子供に教える場合は音大に入ってプロになることも見越して教えます。依頼されたどんな曲でも短期間で高いクオリティで弾けなければならないのがプロです。 そのため、あらゆるテクニックに対応できるように進めていくし、基礎練習もどんな曲でも弾けるように膨大な量をこなす必要が出てきます。一方、先に進むことを優先するため音色は少々優先度を落とします。

一方、大人に対しては少し方向性を変えます。大人の場合は、みんながパガニーニやイザイを弾く必要はないし、練習できる時間も限られます。どんな難曲でも弾きこなすテクニックより、ヴァイオリンらしい音色や響き、そして正しい音程で弾くテクニックを重視します。何でも弾けるような訓練は少々優先度を落とします。

大人だからといって手を抜いているわけではありません。むしろ音色の方が教える側としては難しいし手間がかかる※2。それでも、大人にとっては良い音で弾けることの方が、子供にするような職業訓練的な練習よりも意味があることと思います。貧弱な音でパガニーニのカプリースを無理に弾くよりも、美しい音で「愛の挨拶」を弾けた方が、大人にとっては価値があるし楽しめるはずです。

社会的な訓練や練習と同様、音楽教育も目的や方向性に合っている必要があると思います。草野球で格好だけプロにまねて宮崎にキャンプに行くのはナンセンスです。美しい音が出したければ、機械的に練習曲を進めるよりも、同じ練習曲でも音色を重視した方がいい。長年弾いたから、たくさん練習曲をこなしたからといって音色が良くなるわけではありません。それが合目的性です。

教わる側が将来どういう風に弾けるようになりたいか、それに見合った指導をできているかが、教える側としても教わる側としても大事なことと思います。レッスンの役割を考える参考にしていただければ幸いです。

※1自分が習ったやり方は、専門家養成の指導法だったのですが、それと同じように教えてはいけないと思っています。
※2 良い音色は合理的に弾けていないと出せません。

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