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需給関係の変化〜ヴァイオリンで仕事をする2

かつては、国内にはヴァイオリンを弾く人自体が多くありませんでした。また、録音技術が一般化する前は全てが生演奏でした。

映画からラジオ、テレビへと新しいメディアが普及するに従って、それぞれ作品・番組の音楽が求められ、それぞれに演奏家が必要とされました。わたし自身、先生からその頃のお話を伺ったことがあり、良い収入だった、演奏家は裕福なものだったと聞いたことがあります※。

おそらくヴァイオリニストがリッチなイメージを持っているのはその時代のイメージなのだろうと思います。そのイメージがヴァイオリンを弾く人を増やし、音楽大学で学ぶ人も増やしたのだろうと想像できます。また、「情操教育」として幼児の頃からピアノやヴァイオリンを習わせることが多くなりました。

楽器面でも、ヴァイオリン自体が珍しいものだった頃は現在の感覚より高額に取引されたことでしょうし、演奏する人の増加に伴って多くの楽器が求められることになったはずです。また、「狂乱物価」に代表されるインフレへの対策やバブル期の財テクに象徴されるように、楽器の資産性・投資効果も高額な楽器が求められた現実的な理由のひとつでしょう。

けれども、シンセサイザー、特にデジタルシンセサイザーとMIDIの誕生が演奏家の需要を減らしたと考えられます。ストリングスの音を電子的に生成可能になり、コストのかかる演奏家を使わなくてもいい場面が増えてきました。実際、ポップスでもかつては生の弦楽器による演奏だったストリングスも、録音では生の弦楽器を使い、ステージではシンセサイザーでということは多くあります。

昔のレコードは大変な贅沢品でしたが、CDが誕生し過去の音源が安価に販売されるようになりました。更にインターネットの普及に伴い、合法・違法の差なく過去の音源が多くインターネットに流されるようになりました。すなわち、演奏を聴くことがいつでも可能に、聴くコストも無料になってしまいました。

少子化や長引く不況により習い事の需要が減少していると考えられます。また、円高など経済状況の変化で国内における楽器の価格は目減りすることも出てきてしまいました。楽器の価格帯によっては、買いたい人よりも売りたい人の方が多くなってしまったとも聞きます。

新作の音楽を演奏家が演奏する需要が減少し、演奏家や楽器店の供給は過多になった。ヴァイオリンの仕事にもこの需給関係の変化が生じているのだろうと考えられます。

※「楽隊は貧乏だった」とも聞きますが、わたしは直接には裕福だった話を聞きました。

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