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割れの修理:修理の痕跡

マスターメイドのヴァイオリンに使う材料は、乾燥に伴う収縮や変形を避けるために、通常、製作時点で充分に乾燥した材料を使用します。それでも、より乾燥が進んで収縮したり、変形したりします。そのときに生じやすいのが板の割れです。

収縮に伴う力が上下のブロックの部分にかかり、ブロックの周辺の表板が割れることが多いようです。また、強度的な弱点になりがちなf字孔の周りもよく割れが生じる部分です。

(写真は分かりやすくするためビデオカメラの赤外線撮影機能で撮影し、画像処理でコントラストを上げています)

 

 

古いヴァイオリンの表板に割れはあるのが普通で、それほど価値に影響しないと言われています。また、きちんと修理されていれば強度的にもほとんど問題はないと言われます。

ですが、割れが多い場合はヴァイオリンの価値が下がります。わたしは製作家や修理技術者ではありませんので、どこまでが許容範囲なのかも分かりません。ですが、常識的な目で見てあまりにも割れが多くボロボロなヴァイオリンは、よほど気に入ったのでない限り、避けた方が良いかもしれません。

逆に古い製作家のヴァイオリンなのに、割れも傷もほとんど無い。そして、相場より価格も安いというヴァイオリンは少し疑ってかかった方が良いように思えます※。

古い楽器の場合、割れはあって当たり前。割れがあるからと言って必要以上に不安に思う必要はないと思います。

所詮、ヴァイオリンは木工品、かつ、道具です。300年も昔の木工品に、ヒビや割れはあって当たり前ですし、長年使っていれば事故もあって当然と思います。常識的な目で古い楽器の姿を見てみてはいかがでしょうか?

※新品同様(ミント・コンディション)の古いヴァイオリンもあるのは事実です。ですが、例外と考えるべきでしょう。とはいえ、それだけで他人のヴァイオリンを見て偽物と決めつけるような態度は、その人の品性が貧しいと思いますが。

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