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継ぎネック:修理の痕跡

ヴァイオリンは数百年使用できる楽器ですが、長年の間には交換しなければならない部品が出てきます。数十年〜百年に一度に交換という部品もあります。ネックはそのひとつです。

ネックに使用されるメイプル材は表板に使われるスプルース材に比べ、すり減りにくいのですが、それでも長年使っている内にすり減って細くなってしまいます。これを修理するには大変な知恵が使われています。

現代の感覚ではアッセンブリー交換で、スクロールを含めてネックを全部交換してしまえば事足りるように思えますが、弦楽器のヘッド部分はオリジナルを残す習慣があります※。そこで、ヘッドは残し、ネックだけを切り取り交換して接着する修理を行います。これを継ぎネックと言います。

矢印の部分に見える筋が継ぎネックの跡です。

継ぎネックもブッシングと同じく古い楽器に多く見られるものですが、こだわったレプリカの場合は新作でも継ぎネックがなされていることがあります。継ぎネックの有無は価格や価値には無関係ですし、継ぎネックがあるから古い楽器と言い切ることもできません。

ですが、そこまで手間をかけてヴァイオリンを使い続けようとした職人さんの知恵や、(良しにせよ悪しきにせよ)そこまで手間をかけてオリジナルを再現しようとしたレプリカ製作家の執念を感じ取るのも、楽器を見る楽しみの一つと思います。そんな目で継ぎネックの痕跡を眺めてみてはいかがでしょうか?

※スクロールは美術的だからという解釈もありますが、美しいスクロールを作るのは高度な技術と手間が必要なため、より簡単な方法が考え出されたのかもしれません。

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