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音楽的な都合を重視して:弓順・指づかい5

通常とは異なった特殊な弓順(ボーイング)や指づかい(フィンガリング)を行った方が望ましい場合があります。また変則的な手段を採らなければ解決できない場面も出てきます。

最も問題になるけれども頻繁に使う特殊な指づかいは0の指(開放弦)でしょう。開放弦で弾くことは初歩の段階では普通ですが、充分弾けるようになってからは音楽的に特殊なことと考える方が好ましいと考えます。「何が何でも開放弦を使うな」と完全否定は行き過ぎだと感じますが、開放弦を使う問題は把握しておいた方が良いかと思います。

開放弦で問題になるのは、ヴィブラートがかからないため音質が変わることです。ヴィブラートをかけているフレーズの中で唐突に開放弦が出てくると急に音質が変わってしまい、すなわち音楽の表情が変わって聞こえてしまいます※。逆に言えば、音楽的な前後関係としておかしくない場合は開放弦を使うことも問題ないとも言えます。音楽の表情を壊さないような配慮がフィンガリングを決める根拠と言えます。

また4の指を通常より伸ばして押さえることを考えることもあります。これも音色はあまり良くありませんし、音程がずれやすくなるデメリットがあります。なるべく容易な選択肢を検討した上で、どうしても無理な形の方が「演奏のコスト」が低いと考えた時に、こういったフィンガリングは使うべきです。

ボーイングについてはひと弓が極端に長い場合がしばしば問題になるパターンです。多くの音符がスラーでつながっているような場合でも、ひと弓を長くして苦しい音を出すよりは途中で弓を返した方が音楽的な要求を満たすことが出来ることもあります。

最終的には演奏上・技術上の理由よりも音楽的な要求を満たすことが優先されます。楽譜に書いてあることを再現する上で、音程をうまく取ることのできるフィンガリングの方が望ましいし、音の良いボーイングの方が好ましいと言えます。音楽としてどうなるかを考えることが、適切な弓づかい・指づかいを考えるヒントになりうるかと思います。

※開放弦がヴィブラートが無い場合も金属的な特殊な音が出てしまうことがあります。これは左手の押さえ方に問題がある場合があります。左手の押さえ方が過度に強かったり弱かったりすると開放弦の時と大きな音色差が出てしまうことがあります。

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