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弓の持ち方の流派 - 弓の持ち方と音色の関係2/3

「弓の持ち方には流派がある」と言われます。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、指先で持つ「ドイツ式」、やや指の中ほどで深く持つ「フランス・ベルギー式」、さらに深く持つ「ロシア式」などがあります※1。

「ドイツ式」が時代遅れで「ロシア式」が新しく優れた持ち方である、と断言する書籍もありますが、どの持ち方にも一長一短があります。どの持ち方にしても、弓の持ち方は、「腕からのエネルギーを弦に伝える一方で、弦の振動を止めない」という矛盾した要求を満たす必要があります。

「ドイツ式」のように指先で持つと、手と弓がそれほど一体にならないため、腕からのエネルギーは伝わりにくくなりますが、弦の振動はそれほど止めません。そのため、音量やアタックは少なくなりますが、響きのあるエレガントな音が出しやすくなります。

逆に「ロシア式」のように、手のひらに近い位置で持つと、腕からのエネルギーは伝えやすくなりますが、弦の振動を止めてしまいがちになります。その結果、音量やアタックは大きくなりますが、つぶれた音になりがちになります。

「ドイツ式」だからダメ、「ロシア式」だから良いというものではなく、出したい音に合った「適度な加減」が必要です。原則的には、弦の振動を止めないように力を抜いて持ちますが、強い音が必要なときは意識的に腕から指先まで力を入れて固めることも必要です。

単純に力を抜けば良いわけではないし、弱く持てば良いものでもありません。また、体格などの個人差でも適切な持ち方は変わります。「〜だから良い・悪い」ではなく、「求める音・良い音の出る持ち方・弾き方」が正しい演奏法なのです。

弓の持ち方の原則、考え方のヒントとしてとらえて頂ければ幸いです。まずは、様々なパターンを自分で試してみてください。

※1 カール・フレッシュ「ヴァイオリン演奏の技法」の表記に従っています。

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