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17/2/20 弦をオリーブに〜素晴らしく良い音・不安定なチューニング

弦をオリーブに〜素晴らしく良い音・不安定なチューニング

土曜日・日曜日は東京にてレッスン。体調を崩された方や急遽お休みになられた方がいらっしゃった一方、6年ぶりにお越しの方もおられとても嬉しく思いました(^^)。お越し頂いた皆様有難うございました。

メインで使っているヴァイオリンを全弦ピラストロ社オリーブの弦に交換した。オリーブはE線は金メッキのスチール弦、ADG線はガット弦(ガット:羊の腸を使った弦)で特にG線は巻線が金と銀の豪華なもの。子供の頃4/4の楽器になってからずっとオイドクサかオリーブを使っていたので自分には馴染みがある。

ヴァイオリン弦としては最高の弦と言えるが、ガット弦はチューニングが大変不安定でレッスンでは使いにくく、ここ10年以上ナイロン弦のドミナントを使ってきた。展示会ではオリーブを張った楽器を弾いてはいるし、時々G線だけD線だけをオリーブにはしていたが、自分の楽器を全弦オリーブにするとても久しぶり。

土曜日・日曜日は全てのレッスンと自分の練習でもこのオリーブを張った楽器を使った。素晴らしく良い音(^^)。それからこんなに不安定だったかと思うほどチューニングが狂う(-_-)。

ガット弦=「柔らかい音」のイメージかもしれないが全く違う。むしろ張りが強く芯の強い大きな音。低音も高音もより周波数レンジが広がり重厚かつ豪華な音色。密度が濃く遠達性に富んだ説得力ある音。反応が良いため軽い弓の圧力で駒寄りで弾け、速いパッセージも無理せず弾ける。左指も滑りにいためヴィブラートはかけやすく、ポジション移動の際も思った通りの位置で止まってくれる。結果として思った通りの音が出てくれる。

更に今回の発見もいくつか。

思った通りの音程で弾ける。鳴りの良い楽器は思った音程で音が出ないことがある(一種のウルフ音で胴体の振動特性のためだろう。出したつもりの音程と異なった音程が出る。鳴らない楽器はむしろ音程は取りやすい場合がある)。自分の楽器はHの音程が思ったように出にくく悩まされていたが、弦を替えることで解決するとは思わなかった。また重音の音程も聞きやすいし差音もよく聞こえる。弓の善し悪しの差も明確に出てくれる一方、間違ったボウイングをすると即座に音はつぶれたりひっくり返ったりする。

すなわち「正しい事は正しい」「間違っている事は間違っている」と示してくれるので、とても弾きやすい。自分がガット弦で育ったためかもしれないが、弦でこれほど弾きやすくなるのは今回の再発見。

欠点は・・・。チューニングの不安定さは著しい。それに尽きる。レッスン室の扉を開けて外気が入って湿度が変わると30秒もすればチューニングは狂ってくる。チューニングごとに駒は傾いてくるものだが、頻繁なチューニングをすると駒の角度調整も半日に一度はやらないといけない。

どなたにもお勧めできるというものではない。ボウイングが悪いと全く使いこなせない(ガット弦が柔らかい音、音量が無いと思うケースはボウイングに問題がある)。チューニングにも扱いにもノウハウが必要。駒の角度調整が自分で出来なければ弾きにくくなり音色も悪化する。そして高価(とは言え、最近のナイロン弦も高価ではある)。

でも、逆にボウイングを良くするためにこれほど優れた弦は無いと言える。苦労をしただけの結果は確実に返ってくるので、苦労を厭わない向上心の強い方にはお勧めしたい。

 



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