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水曜・木曜は東京にてレッスン。お仕事の都合や体調のお具合でお休みになってしまった方もおられたものの、今回も7コマ+8コマと大変多くの方にお越し頂きました。お越し頂いた皆様有難うございました。めっきり冷え込んで乾燥してきたので、どうぞ皆様お風邪を召されませぬようご自愛下さい。レッスン室もこの秋初めて加湿器を動かしました。
お越し頂いた方のお話になったこと。おひと方は多くのコンサートを聴きに行かれていてお詳しい方で「ブラームスのソナタの名演奏は?」という話題を伺った。もうおひと方は音楽史にお詳しい方で「天才とは何なのか?」という話題を伺った。わたしも大変に楽しくお話をお聞きする事ができた。
ブラームスのソナタの名盤として、わたしはゲアハルト・ヘッツェルの演奏を挙げたい(さっきAmazonで見たら、まだ売っていて安心した)。アイザック・スターン版も素敵な演奏だが、音楽がもたらす空気感や景色が再生装置を通しても見えるようでヘッツェル版を最も気に入っている。レッスン後、心配になって聴き直してみたがやはり素敵な演奏だった。
天才とは。頭の中で既にスタートからゴールまでの道筋が見えていて、それを実現する技術を持った人と思う。音楽ではバッハやモーツアルトが最大の天才と思う。きっと頭の中で音楽が組み上がっていて、それを音にする時の楽器の都合も分かっていて、そして素早く楽譜にする和声学的なテクニックや要領も持っていたのだろうと思う。天才と言われる人物の作った美術品や工芸品でも同じだが、迷いや手直し無く形になったものには独特の力(「いい仕事」とも言える)があるように感じられる。
どちらも美学的に一般化しうる話題で、わたしも考えさせられるところもありました。機会を与えて頂いて有難うございました。
投げやりな写真ですが、うちのヘッツェル版ブラームスソナタ