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10月1日の午前0時は12月分の予約開始日。既に大変多くのご予約を頂き有難うございました。3ヶ月も先の、しかももう年末のご都合を付けて頂き大変恐縮です。また水曜日は東京にてレッスン。今回も大変多くの方にお越し頂き有難うございました。体調を崩されてお休みになってしまった方もおられました。急に寒くなっていますので、どうぞ皆様ご自愛のほどを。それから今日明日は強風にもご注意を。
風紋のように美しい水曜日の雲:自宅ベランダより
山登りについて詳しいわけではないが、登る事よりも無事に下山することが大事だと聞く。「家に戻るまでが運動会ですよ」と校長先生にも言われたもの(^^;。
教える仕事は登山のガイドのようなもので、その方をどこにどのようにお連れしたら幸せになれるだろうかを考える事が少なからずある。たかがヴァイオリンでそんな事を考える必要は無く、きれいなところだけ見せて弾けるようにしさえすれば良いのだとも思う。でも、形だけ弾けても何もならないし、自分の元を離れた時に自分で先に進んでいけるようにして差し上げるべきだろう。
お子さんで将来ヴァイオリンを仕事にしたいと言う方もおられる。でも、コンクールに上位で通って、優秀な成績で音大を出たとしても、仕事がなく活躍できないのでは哀れというものだろう。それが自分で選んだ道なら納得も行くだろうが、他人によって定められたレールに乗って失敗したのであれば恨みがましい気持ちにもなるだろう。自分で人生を選べるようにしてあげたいとわたしは思う。
仕事にするにはヴァイオリンが弾けるだけではダメだ。ヴァイオリンだけクラシックだけでなく音楽全般の知識も要るし、ヴァイオリン以外の他の楽器も多少なりとも弾けた方が良い。音楽以外の別分野でも他人より得意な事がひとつふたつあった方が仕事上の差別化には有利。一般教養や常識はもちろん他人を思いやる心や人柄の良さも必要な反面、駆け引きや金銭面などリアルな場面ではお人好しであってはいけない時もある。その全般的な教養=ビジネスセンスが仕事には必要で、そのためには広範な分野に接するべき。
夢は持ち続けるべきであるし、願い続けて努力を続ければ叶うものと思うが、保険の無い冒険はギャンブルに過ぎない。教える側の役目はリスクを減らしつつ利益を与える事であり、むしろリスクを増やす事になってはならない。ご自分で選んだ道で登山と無事に下山できるためのガイドができればと願っている。
今月もどうぞよろしくお願い致します。