ヴァイオリンがわかる!

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痛みに対する自分なりの工夫

土曜日は東京にて、日曜日は愛知にてレッスン。両日共に8コマと大変多くの方にお越し頂きました。初めてお越しの方もおられ、毎度の事ながらわたしの方が緊張で手が冷たくなっていました。教える側が緊張で青白くなっているのも珍しい(^^;;。

ヴァイオリンを弾くことで身体が痛くなってしまったというお話を伺った。この話題は一般的にも多く、「ヴァイオリン演奏に伴う痛み対策」を題材にした書籍も何冊か出ているくらいだ。

わたし自身も8時間9時間とレッスンをやっているとレッスンではそれほど弾くわけではないが腕や指は痛くなってくるし、疲労のためか歯が浮いた感じになることも多い。さらには、長時間の大音量を聴くため左耳に痛みを感じることもある。また自分の練習でも身体が痛くなることもある。けれども、かつて子供の頃に感じた痛さよりは慢性的ではないしずっと軽度と思う。

ストレッチや体操などは何もしておらず、マッサージや整体に行くことも無い(普通の意味での肩こりはあるが、これはヴァイオリンとは無関係)。痛みの治療のために温泉に行くこともない(レジャーとしてはあります)。

演奏上も特別なことはしていないが、当時よりずっと軽い力で弾くようになったこと、楽器が当時より良いものを使っていること以外にも、さまざまな点で楽に弾けるような工夫はしている。

弾き加減・力加減など演奏技術についてはこのサイトにも多く書いているので、それ以外のことを。長いですがご容赦を。この内容はそのうちサイトの記事にするかもしれませんが、ご参考になればと。


ネックについて:
弦高は細かくチェックしている。ナット(上駒)側が高い場合は楽器の購入時に調整してもらう。ネックの上がり下がりについては、レッスンで使っている楽器のネックはほとんど動かないが、練習用の楽器が湿度でネックが動くので、その時の状況に合わせて弦を張ったり緩めたりしてコントロールしている。ネックが下がり気味の時は弦を緩めるようにし、上がり気味の時は張ったままにするという具合。

ネックの形に問題がある時は削ってもらう。どういう状態が弾きやすいネックなのかは相当数の楽器を弾いた経験が無ければ分かりにくいと思うが、ネックの形状で弾きやすさや左手への負担が大きく変わる。うちの新作楽器は当初妙に疲れる感じがあって、ネックを削ってもらうことで改善したことがある。

肩当て、顎当てについて:
肩当ては今はあまりこだわらないが、顎当てについては重視する。演奏には肩当てよりも顎当ての方が重要とも思う。レッスンで使っている楽器にはクローソンのガルネリタイプを付けている。高額なので、どの方にもお勧めできるわけではないが、顎当てで疲れがかなり軽減できる。また、特別な理由が無い限りハンカチなどを当てて弾く事は無い。ハンカチを当てると滑るのか疲れが増すようだ。

肩当て(マッハワンの普通の形、メイプルとは音が少し違うのでアッシュ材のものを使用)については、付け方次第で負担が増加も軽減もするため、脚の幅・付ける位置・高さにはこだわる。基本的には低め、肩当ての存在感が少なくなるようにと調整する。

弦について:
テンションの極端に高いものは使用しない。音質を好まないだけでなく、演奏の疲れも増すようだ。良く鳴る楽器ならテンションの違いによる音量差はあまり出ないし、オイドクサなどのテンションの弱めな弦でも楽器を鳴らすのが技量だと思う。同じ理由で、重量の軽い弓でも楽器を響かせるのが技量。左手があまりに疲れる時、柔らかい弦(ドミナントであればヴァイヒ)を試したこともある。感動的に押さえやすくなる。

弓の毛について:
弓の毛は悪い状態では使わない。従って、交換も期間での判断ではなく、毛替えして1週間でも調子が悪くなったら再度毛替えをお願いするし、別の工房にお願いする場合もある(当然、費用は2倍かかることになる)。松脂の塗り加減も適切であるように注意している。塗りすぎて滑っているケースを多く見かけるが、滑る弓で弾くと、わたしの場合はてきめんに右腕が痛くなる。

ペグの固さ調整:
ペグやアジャスターは動きやすいように整備しておく。チューニングに時間がかかるだけでなく、ペグが固すぎて左手を痛めたこともある。ペグコンポジションで単に滑りやすい状態ではなく、ある程度しっかりした状態に調整している。

正しい持ち方を:
持ち方に違和感を感じた場合はヴィオラをしばらく弾いてからヴァイオリンに持ち替えて確認することがある。また、無理に音を出している時はヴィオラに持ち替えるとまるで音が出ないので、ヴィオラできちんと鳴らせられるようにとチェックすることもある。負担が二重になるため、また良い楽器がヴィオラは特に少ないため、どなたにもお勧めするわけではないが、ヴァイオリン弾きにとってヴィオラを弾く経験は大いに有益と思っている。

音量について:
騒音計で測るとうちの楽器で音量は100dBを超える。普通に室内で弾くエレキギターよりもずっと大きい音量が出ていることに驚く。遠鳴り・そば鳴りなどと言われるが、音は距離に比例して減衰していくので、理屈上は楽器の近くが最大音量になり、耳元ではエネルギーが耳を直撃する。本当に耳を痛めてしまうので、自分の練習の時には消音器をつけていることが多い(この場合弓と弦の接点が見えなくなるので、鏡は必須。また意識的に駒寄りを弾く必要はある)。

練習時間について:
練習時間は少ない方が好ましいと思っている。長時間の練習が美徳とされる一般的なイメージと逆のようだが、わたしにとっては仕事であるし、弾けない箇所などの問題を解決するのが練習。もちろん、課題山積の時は練習時間も多く要するし、多くの弾き込みが有効な場合もあるが、それでも可能な限り時間は最小限にしようと心がけている。「時々長時間」より「毎日少しずつ」の方が効率的であるし、スポーツと同じで急に長時間練習すると身体を壊す。

痛くなったら休む:
痛くなってしまったら休むようにしている。あるいは楽器を使わない練習を。家に籠もっているとワガママになるのが自分で分かるし、外を歩くのが心身ともに健全だろうと思う。また意識的によく寝るようにしている。疲労回復においても仕事のクオリティの上でも、よく寝た方がプラスに働くのだろうと思う。「芸術家」のような生活はわたしはやらない。

 



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