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土曜日は東京にて、日曜日・月曜日は愛知にてレッスン。今回も非常に多くの方にお越し下さり感謝です。また体調を崩されてしまった方、どうぞよくお休みになって早い回復を願っております。
現在の自分的ブーム。「力の抜き方」。息を止めないようにとやるとスムーズな音が出る場合があるため、最近は多くの方にこの表現を使ってみている。結局はいつもお話していることと同じ「力を抜く」ということなのだけれども、表現の仕方次第でうまくいったりいかなかったりするのは面白いところ。
同じ表現を多くの方に使うことになって申し訳ないなと思いつつ、うまくヒットした表現は全員の方に知って頂きたいため、多用することになる。
北海道で休暇を頂いた後、これまで出てこなかった表現がいくつか出てくるようになった。お休みを頂く前はさすがに疲れすぎていたのか、こういう表現が出てこなかった。お休みの間に何かがうまく結びついたのかなと。
レッスンの中で、「弾き込んだら楽器が鳴るようになる」という表現について話題になった。
確かに弾き込みによって多少の変化は生じると思っている。かつてMichael Eggimann(良い音の楽器でした)という新作イタリーを持っていた時に多少の変化を感じたことはあるし、最近購入の新作楽器も少しずつ音は変化していっているように思える。
でも、弾き込みの効果はそれほど大きいものではないと私は思う。調整の方がよほど大きく音色や弾き加減を変える。
わたし自身はこういう売り手側に有利となる表現は好まない。未来を期待させるような表現は、様々な投資で頻用されるが、信じて失敗しても誰も責任は取ってくれない。投資と同じく「将来価値が出ますよ」と言われて値下がりしても楽器店は責任を取らない。
ヴァイオリンでもギターでも同様のセールストークがあるため、わたしは二重に注意して聞くのだけれど、「弾き込めば鳴りますよ」は腹立たしいと思っている。良い楽器は最初から良い音がするもの。未来を期待するのではなく、楽器選びは今だけを信じること。わたし自身はそう思っている。