ホーム >
水曜日は教える方のレッスン。多くの方にお越し下さり有難うございました。おひとかた体調を悪くされてしまってお休みになったこと、心配しております。
今回ヴァイオリン2重奏のレッスンをおひと組。ショスタコービッチとヴィヴァルディの2重奏曲。
合奏の場合、判を押したように、相手を聴き合いなさい、呼吸を合わせなさいと一般的に言われるが(もちろん、それも大事だけれども)、今回自分の仕事をきちんとするべきというお話をさせて頂いた。
自分のことがきちんとできて、はじめて、相手の加減を知ることができるもの。まずは、リズム、テンポ、音程など自分の仕事をきちんとして頂きたいと思う。実際、その方がまずは音楽になることが多いと思う。
オケでも室内楽でも、大前提が満たされてはじめてその上のお話ができるものと思う。
今回のレッスンの中でも、他の先生にはヴィブラートのかけ方で違う指導をされるというお話を聞いた。また、最近、楽器選びのご相談や、演奏方法や、楽器そのものについてなど、誰を信じたら良いのかといった話を聞くことが多い。
誰もが正しいと言えるし、誰もが間違っているとも言える。わたし自身の言っていることも(正しくあろうとはしているけれども)正しいとは限らないし、正しいと思っているわけでもない。他の先生方も、良かれと思って指導なさっているものとは思う。
わたし自身の考え方としては、
・演奏は身体を痛めるものであってはならない。
ゆるい力で弾くことを推奨。楽器の持ち方も顎だけで挟む事は推奨せず。
・身体に無理な力がかかるものであってはならない
動きも遅め。身体をねじる動きは最小限に。
・楽器に負担をかけるものあってはならない
楽器の振動を止めない方向で。また、持ち加減もかなり軽く。
・楽器自体も軽い力で大きな音が出るものを推奨する
弾くのに力の必要な楽器は推奨せず。音が良ければ真贋・状態は問わない。
「もっとしっかり弾きなさい」とおっしゃる先生もいるだろうし、「左手を叩き付けて」とおっしゃる先生もいるだろう。それはそれで正しい面もあるので否定はしない。絶対に真作でなければならないという意見もある。
けれども、楽器を弾くことで身体をこわしてしまったり、音が汚いままであったりするのは、いくら難しいコンチェルトが弾けても、不幸なこととわたしは思う。わたしの考えでは、早弾きができることよりも良い音で弾けることの方が大事。
また、楽器なんかで必要以上の経済的負担をかけるのは不幸なこと。安くても良い音が出るのであればその方が良い。ただし、安いものにはワケがあるのも事実。
誰が「絶対正しい」と言うことはない。うちを含め、指導はあくまでもひとつの考えとして、ご自分にとって納得いく考え方を取捨選択して頂きたいと思う。